日本でロシアのテレビを観るためには(2023年最新版)

かつて私は石川県金沢市の郊外でロシアの衛星を受信していました。
http://www.kouichirou.com/kultura/howto.htmlを参照)

ところが2018年6月から携帯電話の基地局からの強力な電波の混信によって衛星からの電波が受信不能となりました。
そのため衛星からの電波の受信を諦めてロシアのインターネット・テレビと契約してロシアのテレビを観るようになりました。

2019年5月に実家のある青森県下北半島へ戻って来ました。
むつ市郊外に1000坪ほどの自分の土地があったのでDIYで自宅を建ててそこで暮らし始めました。
ここは周りには誰も住んでおらずたまにキツネ、タヌキ、野ウサギ、カモシカがやってくるぐらいの物凄いド田舎です。
もちろん近くに携帯電話の基地局なんてありません。 金沢から持ってきた1.8mのパラボラアンテナを設置しました。
ところがロシアの衛星からの電波を捉えたものの上手く映りません。 というのも衛星からの電波の変調方式が以前はDVB-Sが主流で
比較的小さなアンテナで受信が可能でしたが現在ではハイビジョン対応のDVB-S2が使われており1.8mのパラボラアンテナで受信可能だったものが
より大きなアンテナを使わないと受信出来なくなりました。 そしてDVB-S2に対応したチューナーも必要です。 
そこでせっかくの広い土地なので長年の夢だった3mのパラボラアンテナを建てて最新型のDVB-S2対応チューナーを入手して再びロシアの衛星からの電波を受信して
ロシアのテレビが見られるようになりました。

ロシアは国土が広いためテレビ放送の送信には通信衛星が使われています。
アジア地区には東経80度、96.5度、103度、140度、145度に静止衛星があって
モスクワからシベリア、沿海州、極東、カムチャッカ向けのテレビ放送が送信されています。
これらの衛星は比較的出力が高く日本もエリアに入っているのですがかつては1.5mから1.8m程度の
パラボラアンテナで受信する事が出来ましたが現在では2.4mから3mのパラボラアンテナでないと受信する事が出来なくなりました。

これから私がどのようにしてロシアのテレビを観ているのかを紹介していきます。
私の住んでいる所は青森県むつ市の近郊です。 
アンテナの設置出来る場所と必要な機材、それにノウハウさえあればロシアだけでなく
世界のいろんな国々のテレビで自宅で楽しむ事が出来ます。

送信に使われる周波数帯

衛星からの電波はマイクロ波と呼ばれる非常に波長の短い電波で送信されています。
使われる周波数は2.5GHzのSバンド、3GHzのCバンド、11GHzのKuバンドの3つです。
3GHzのCバンドは国際間の通信など広範囲な地域を対象とした通信・放送に使われます。
アンテナやフィードフォンなどの機材が大きくなりますが雨や雪などの気象の影響をほとんど受けません。

海外衛星で使われる3GHzのCバンドですが日本においては携帯電話の通信に利用されるようになり
携帯電話の基地局からは強力な電波が出されるようになりました。 この強力な電波が衛星からの電波に
混信するようになり衛星からの放送が全く受信出来なくなる事が起こっています。

11GHzのKuバンドは日本のBSやCS放送に使われていて受信エリアがかなり狭くなります。
また雨や雪などで電波が減衰します。
しかしながら3GHzのCバンドと異なり携帯電話の基地局からの電波の影響を受けません。

私が受信している衛星からの電波は3GHzのCバンドと11GHzのKuバンドです。

パラボラアンテナ

パラボラアンテナは衛星からの電波を受けて焦点に集める役割をします。
焦点にはフィードホンとLNBがあります。

現在、3mのパラボラアンテナ2.4mのパラボラアンテナを設置しています。
このうち2.4mは東経145度のExpress-AMU7に固定しています。

フィードホン

パラボラアンテナの焦点に取り付けて受けた電波をLNBへ送り役目をします。
ロシアの衛星のCバンドでの送信は円偏波なので誘電体を使用します。

LNB

LNBとはローノイズ・ブロック・コンバーターと呼ばれるものです。
フィードホンから送られてきた3GHz帯の電波を増幅して同軸ケーブルでの減衰が少ない1GHz帯へ変換します。
かつてはLNBはLNA(ローノイズ・アンプ)とダウン・コンバーターが別々でしたが20年程前から
これらが一体化したLNBが使われています。
受信する周波数帯によって使用するLNBは異なります。
Cバンド帯の受信には局発5150のものを使用します。
KUバンド用のは受信する周波数で局発が異なります。


Cバンド用LNB


CバンドとKUバンドの一体型LNB

チューナー

デジタルIRDとも呼ばれています。
ロシアの通信衛星も含め受信にはDVB-SまたはDVB-S2方式対応の受信機を使用します。
既に各衛星のトランスポンダーのデータが入力されているものもありますが
基本的には自分で入力します。
受信に必要なデータは
・周波数
・偏波
・シンボルレート
・圧縮率
です。

衛星のデータはLyngSatに載っていますのでこちらをご覧ください。


中国GT Media製衛星用チューナー V7S5X

簡易スペアナ

衛星からの電波を相対的に確認する事が出来るためパラボラアンテナの方向合わせに威力を発揮します。
アナログでの送信が主流だった時は画面を見ながらで良かったのですが現在では
そのほとんどがデジタルでの送信なので簡易スペアナは必需品です。

日本で受信可能なロシアの衛星

日本で受信可能な衛星は次の6つです。
詳細については各衛星をクリックしてください。

東経145度 Express AMU-7

東経140度 Express AM-5

東経103度 Express AMU-3

東経96.5度 Express 103

東経90度 Yamal 401

東経80度 Express 80

この中で東経145度 Express AMU-7が電波も強く受信し易いと思いますが
最低でも2.4mのパラボラアンテナが必要となります。

青森県下北半島で受信可能な衛星一覧

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